中国における新型インフルエンザ4例目の感染確認について
(新型インフルエンザ関連情報NO.13)
2009年5月19日
在重慶日本国総領事館
1.5月19日、中国衛生部は、広東省にて1名の新型インフルエンザ感染者が確認されたと発表しました。中国での感染確定者は、四川省1名、山東省1名、北京市1名を含め合計4名となりました(但し、四川省と山東省の各1名は既に回復の上退院しています。)。
(1)感染が確認されたのは、59歳の中国人男性。広州人で現在仏山南海区在住。同患者は4月下旬、カナダ、アメリカに旅行に出かけ、5月13日、韓国経由で香港へ入りました。5月14日、喉の痛み、鼻づまり、咳等の自覚症状がでています。5月15日16時35分、同患者は香港から広州行きのT810直通列車の7号車に乗り広州へ向かいまいした。乗車中、悪寒、発汗、発熱等の症状が出、広州東駅到着時の検査では体温が37.7度であったため、隔離治療を行うため、直ちに広州市第八人民医院に運ばれました。
(2)広州市疾病予防センター等は、5月17日、同患者に対する検査の結果、新型インフルエンザH1N1型疑い例と診断していましたが、5月19日午前、中国疾病予防センター及び衛生部により確定例と診断されました。
(3)現在、同患者の病状は安定しているとのことです。また、広東省衛生部門は5月15日T810列車にて同患者と同じ車両に乗っていた乗員乗客に対して追跡調査を行い、密接接触者に対しては医学監察措置を開始しています。現時点で既に連絡の取れた密接接触者の中に体調不良を訴える者はいないとのことです。また、広州総領事館が広東省衛生庁に確認したところ、医学監察の対象となる乗員乗客、密接接触に日本人はいないとのことです。
2. この他、5月19日、中国衛生部はホームページにて、チベット自治区において新型インフルエンザ感染疑い例が発生したことを発表しています。
(1)感染が疑われているのは、42歳の女性、イタリア人。同患者は5月12日、イタリアからネパールへ到着しました。5月15日、患者は鼻づまり、喉の痛み、冷や汗を感じ、5月16日にチベット自治区ダムの国境から入国した際の検疫では体温は38.5度あり、ダム病院に入院しました。現在、患者の病状は安定しているとのことです。
(2)5月18日、チベット自治区疾病予防コントロールセンターが同患者を検査したところ、新型インフルエンザH1N1型の陽性であり疑い例と診断しています。した。チベット自治区衛生部門等は、患者と同行していた23名(日本人1人を含む)の外国人旅行客(密接接触者)に対して当地のホテルで医学観察を実施しています。
3. 新型インフルエンザは世界中で感染が拡大しており、中国政府は強力な水際対策を実施していますが、今後、中国でも感染が拡大する可能性が考えられます。今回の新型インフルエンザは弱毒性であり症状も軽いとの見解もありますが、在留邦人の皆様方におかれては引き続き冷静に対応し、中国国内の状況に関する関連の情報に注意するとともに、一層の手洗い、うがいの励行、及び外出時に人混みに入る場合のマスクの着用等の感染防止対策の徹底をお勧めします。
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○CDC(米国疾病予防対策センター)
http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)